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こんにちは!
薬院六つ角矯正歯科です。
今日は、患者様の矯正相談で、
「抜歯すると、前歯が下がると人中伸びる?」についてお悩みがありましたので、お話させていただきます。
1.人中とは?
人中とは、鼻と口の間にある溝のことを言います。
ただ、人中の溝自体を気にされているわけではなく、皆様が気にされているのは、人中が伸びたつまり、鼻の下から上唇までの距離です。
患者様によっては、SNSの普及で、矯正治療によって人中が伸びたと投稿されているのを見て、気にしている方がいらっしゃいます。
2.実際に歯科矯正治療で、人中は伸びる?
実際に治療した患者様の写真をお見せしますと
写真の患者様は上下小臼歯4本抜歯の歯科矯正治療をおこなっており、上下の前歯を下げています。
鼻の下(鼻下点)〜上唇の距離は、治療前後でほとんど変わってないです。
よって、歯科矯正治療で、絶対に人中が伸びるかといえば、違うと思います。
それでは、なぜ歯科矯正治療前後で人中が変わると感じるのか?
多く分けて3つの理由があると思います。
3-1.加齢や体調悪化による内部的要因またはストレスなどの外部的要因による肌への影響
1つ目は歯科矯正治療以外の要因です。
歯科矯正治療の治療期間は2~3年で長期的です。その期間中には、矯正治療だけではなく、いろいろな変化があります。例えば、年齢的な変化です。加齢による影響で、肌にも変化があります。また、肌はとても敏感でストレスや体調悪化によって肌の変化は起きやすいです。
これらが原因で肌の一部である人中の見え方にも影響を与えると考えられます。
3-2.歯の出具合によって人中の見え方が変わる
2つめは歯科矯正治療が関わってきます。
歯科矯正治療で、人中を直接的に増やしたり、減らしたりはできないですが、
患者様によっては、歯科矯正治療後に人中が長くなったり、短くなったりする感覚はあると思います。
そう感じる理由としては、人中の傾きが矯正治療後で変わることがあるからです。
例えば、人中自体の長さが変わらなかったと仮定します。
もし、歯科矯正治療で、前方に前歯を出した場合、人中が前方に傾きます。長さ自体は変わってないのですが、人中が斜めに傾くことにより短く見えやすくなると考えられます。(A)
逆に前歯を後方に動かした場合、人中が直立してきます。その結果、こちらも長さ自体は変わってなくてしても人中が直立することで長く見えやすくなる可能性はあります。(B)
よって、人中の傾き方次第で、人中の長さが変わったように感じます。
では、前歯を出せば、人中が短くなるか言うととそうでもないです。
理由は、3番目の要因が関係します。↓
3-3.口の閉じ方によって人中の長さは変化する
口が閉じにくい、前歯が出ている例を示します。↓↓
前歯が出ている人は、基本的にリラックス時に口は閉じれていません。口を閉じてないので、人中は短く見えます。(①)
しかし、口を閉じようとすると、前歯が出ているため、唇を大きく伸ばす必要があり、結果的に人中が伸びて、長く見えやすくなります。(②)これは、前歯が大きく出ている人ほど人中の伸びは顕著です。また、人中だけでなく、下唇下部も大きく伸ばしているので、顎に梅干し上のシワができていることもあります。(口ゴボの方が該当します)
もし、歯科矯正治療で、③みたいに前歯を後方に下げることで、口唇を閉じやすくすると口ゴボは改善します。
改善後、③の人中は①より長く見えますが、閉じれない上唇は、閉じる機能を果たしておらず、健康的に良くないので、むしろ①の人中は短すぎるとは判断すべきです。
4.歯科矯正治療するときの人中はどうしたほうが良い?
以上のことを踏まえて、人中を変えたくないなら矯正しないほうが良いでしょうか?
矯正専門の歯科医師である私の考え方としては、あまり気にされなくて良いのではないかと思います。
まず、歯科矯正治療の目的は、美容だけなく、健康のために行うものです。もし、人中を気にしすぎて、人中を変えない矯正(前歯の位置を変えない)を選択した場合どうなるのでしょうか?
例えば①、②の方の場合で、前歯を多く下げない矯正すると、
前歯を下げない、もしくは気持ち少しだけ下げる矯正→口が閉じれない→口呼吸の定着によって
以下の問題点が残ったままです。↓↓
この問題点は、健康や美容に悪影響を与えると考えられます。
よって、この問題を放置してまで、人中をなるべく変えない矯正をするかというと、ほとんどの方は
NOと言うのではないでしょうか?
上記の問題を解決するには、ある程度前歯を下げて口元を閉じやすい矯正をしないといけないと考えます。
5.まとめ
歯科矯正治療を行うことで、人中に影響を与えると思いますが、殆どの場合、気にするほどではないと思います。
しかしながら、人中の変化は、個人差があり、歯並びの程度で治療前後の変化はあると思いますので、実際に検査してみないと分からないです。
矯正治療を希望したい方は、矯正歯科医院で一度ご相談されるのをお勧めします☺️