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口ゴボとは?
患者さんに、相談時に口ゴボを治したいと相談されることが何回かあります。
口ゴボと聞いて、知らない方がほとんどだと思いますので
今日は口ゴボについて説明しますね。
1.口ゴボとは?
口ゴボとは横側を見た際に、口元が全体的に前に出ている状態のことです。SNS上で口ゴボという単語はヒットしますが、矯正歯科の専門用語ではないと思います。
口ゴボと評価する判断の一つとしては、①Eライン(鼻の先端と下顎の先端を結んだ線)から口元が大きく出ていることです。
①口ゴボのイメージ
Eラインは、鼻の高さや下顎の大きさにも影響受けます。
Eラインの他の指標としては、②リラックス時に常に口が開いてて前歯が出ていること、口を閉じようとすると、③口元が大きくでること、④下顎が無いように見える、⑤下顎の先に梅干し状のシワができるおよび⑥人中が長く見えるなどがあります。
②ー⑥口ゴボのイメージ
個人差はありますが、すべて該当する方は、口ゴボの可能性があります。
2.口ゴボの原因は?
口ゴボになる状態としてとしては、骨格的によるものと歯によるものがあります。骨格的によるものは、顎骨が大きく前方に出ているです。歯によるものは、前歯が大きく前方に出ていることです。
これらの状態が起きる原因としては、遺伝的要因と機能的要因が挙げられます。遺伝的要因は、顎や歯の大きさに関わっていきます。顎が小さい、顎がもともと前方に出ている、歯が大きいなどが原因で、顎や歯は前に出やすくなります。
機能的要因は、口が開いている、口呼吸、低位舌(舌が常に低い位置にある)、舌突出癖(舌を前に出す)を行うことで、口周りの筋肉の機能のバランスが悪くなります。バランスが悪くなると、口を閉じる筋肉が弱くなったりすることなどで、顎骨や歯は前に出やすくなります。
3.口ゴボを治す治療方法
歯科矯正治療は前歯または顎を動かすことで、口元の突出感を減らすことができますが、顔の皮膚や筋肉などの軟組織の量を減らすなどの直接的な美容整形分野の治療はできないです。矯正治療で治す場合は大きく分けて2種類あります。
①本格矯正治療(顎の手術しない)
顎に大きなずれはなく前歯が出ているのみ、または顎はずれているが、手術したくない患者さんは、本格的矯正治療の適応になります。
基本的に小臼歯を最大4本を抜歯して治すことが多いです。メリットは、顎の手術しないで、歯を治すことができます。デメリットは、この治療で顎を動かすことは困難であることと、あまりにも顎が大きく前方に出ている方は、本格矯正治療しても改善できないです。
②外科的矯正治療
顎骨が前方に出ていることで、顎変形症と診断されたら、外科的矯正治療の対応になります。メリットは、歯だけじゃなく、顎ごと後方に動かすことができます。また、外科的矯正治療は、施設条件を満たしている大学や矯正歯科医院でしたら、保険治療適応になります(当院は行っていません)。デメリットは、手術しないといけない、手術しても小臼歯の抜歯を行うことがある、治療期間は本格矯正治療より長くなる傾向などです。
4.本格矯正治療で治した症例、費用、期間について
実際の治療症例です。
主訴は、口が閉じにくい、歯が前に出ている、口ゴボ(口元が盛り上がっている状態)です。
お口の中を診ると、上下顎の叢生(前歯の並びがガタガタ)が認められました。
検査、診断の結果、上下の前歯が前方に位置し、上下口唇の突出が認められたため、上下小臼歯の合計4本の抜歯を行うこととし、上下顎の前歯を後退させることで、口唇の突出感の改善を行うこととしました。
治療前後の写真です↓↓
治療前後の横顔の変化です↓↓
レントゲンは矯正用の頭部エックス線規格写真(側貌セファロ)です。このレントゲンは、上下顎の前後的上下的ズレ、上下の前歯の位置、軟組織などの評価に仕様します。
治療前のお口の写真で見ると、特に問題ない歯並びに見えますが、側貌セファロで確認すると、上下の前歯が前方に突出しています。この上下前歯が前方に位置してる影響で、E-Line(鼻の先端とあごの先端を結んだ線)に対して上下口唇が前方に出ており、口が閉じにくい環境になっております。
治療後は、上下小臼歯を抜歯したことによって、レントゲン上で、上下の前歯は後退し、横顔の写真では、上下口唇の後退が認められました。
性別:女性
年齢:30代
診断名:叢生を伴う歯性上下顎前突
治療期間:2年6ヶ月
使用した装置:マルチブラケット装置(表側メタルワイヤー)
抜歯部位:上下顎第一小臼歯
一般的な治療費用:検査・診断(33,000円),矯正治療料金(770,000円),診療ごとの処置料金
→※実際の費用は個人差と歯科医院の料金設定の差がありますので、あくまで参考とお考えください。
→※治療費は通えそうな矯正歯科医院のホームページを参考にしてください・
治療のリスク:歯肉の退縮、歯根吸収、歯髄充血
※矯正治療の一般的な通院回数は12~36回、治療期間は12~36ヶ月です。
※矯正歯科治療は公的健康保険の適用外の自費診療(自由診療)となります。
※治療費用は治療の時期などで個人差がありますので、あくまで参考とお考えください。
以上となります。前歯が出ている、口が閉じづらいと感じた方は、矯正治療を検討していいかもしれません。
気になる方はお近くの矯正歯科医院にカウンセリングに行くのをおすすめします。😊
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医院名:薬院六つ角矯正歯科
電話番号:092-717-5617